dm10forever

メジャーリーグのdm10foreverのレビュー・感想・評価

メジャーリーグ(1989年製作の映画)
3.7
【♪Wild Thing!!】

『さぁ9回表、巨人の攻撃です。楽天はここを凌げば日本一です。・・・お、楽天は星野監督が出てきましたね。審判と何やら話しています。どうやらピッチャー交代のようですね~。一体誰に代わるのか・・・・ん?今、星野監督の口は確かに「田中!」と言いましたね。これはまさか・・・』

ざわめくスタジアム。そして直後に流れるアナウンス。

≪ピッチャーの交代をお知らせします。ピッチャー則本に代わりまして・・・≫

(まさか・・・でもそうであって欲しい)日本中が固唾を呑む瞬間。

≪背番号18!田中将大!!≫

ウオォ~~~~~~!!地鳴りにも似た歓声がスタジアムを包む。
もう場内アナウンスの背番号より後の部分は聞き取れなかった。でも十分だった。楽天の「背番号18」がマウンドに立つ。それを聞いた瞬間に全身に鳥肌が立って、わけもわからず号泣していた。

そしてゆっくりとマウンドに向かう田中をスタジアム全体で歌う「あとひとつ」が後押しする。あの大合唱のシーンは本当に凄かった。僕も含め楽天ファン以外の人すらも、もしかしたら「田中」の背中にある「18」という数字を見つめていたのかもしれない。
あー神様が選ぶ試合って、やっぱりあるんだね。TVではあったけど、この試合、この場面をリアルタイムで観られたことは一生忘れられないかもな・・・。

あの年のマー君に代表される「イーグルス」の快進撃は、ファイターズファンの僕からから見ても「神懸かっていた」というか、凄みを感じた。勿論褒めてるんですよ。

で、その時思いました。
「映画みたいな話だな」と。

その映画というのがこの「メジャーリーグ」です。
前年まで優勝争いなんか無縁だったけど、チームの危機を知り、それまでバラバラだったチームが一つになって地区優勝まで登りつめるというスポーツコメディ映画ですが、一番の見せ場が本当にソックリなんです。
9回表2アウト満塁の場面でマウンドを託されたのは「Wild Thing」リック・ボーン(チャーリー・シーン)。そしてリックがマウンドに向かうとき、スタジアム中が熱狂と共にあの名曲「Wild Thing」を大合唱で送り出す。映画としても一番盛り上がるシーンだし、実際今でもあのシーンを見るたびに興奮してしまうくらい(笑)。

そして、それは「映画」の中の出来過ぎたシチュエーションだという事も、十分わかった上で見ていた・・・つもりだった。

でも実際に起きたんですね、同じことが。

どういう状況になったら人は感動するのかというメカニズムってきっとあるんだと思うけど、それが映画であれ現実であれ、万人が涙する状況ってやっぱり凄いよなって。

もう一度この映画を観て改めて思った。

「この映画やっぱり面白い。そして、やっぱりあの時のマー君は凄かったよ」と。
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