ベビーパウダー山崎

女はそれを待っているのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

女はそれを待っている(1958年製作の映画)
3.0
産院に入院している三人の女性のドラマ。閉じられた空間で女性たちが芝居を見せていく、広がりがないので映画としては弱いが舞台劇としてイメージを膨らませるなら上質。女性が抱えているそれぞれの人生と紐づけての妊娠出産。男たちは他人事、結局女性は自分自身と向き合わなけれならない、その挙げ句に狂ったり孤独になったり、稀に力強く生きたりもする。
ベルイマンが女性の心理を描くのに長けていたのかどうかはよくわからないが、男にも女にも一切媚びない凶悪なサディストなので、物語に都合の良い見かけだけの(理想像のような)キャラクターは頑として描かない。どの人物(動物)にも冷たく容赦ない。生き物そのものを悪とみなし、存在さえ否定している。