タカシサトウ

ガルシアの首のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

ガルシアの首(1974年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

[意志を貫くならず者]

 何とも切ない話。他の多くの作品のように、普通の人は出て来ない、ならず者たちの話。普通に静かに死ねるものは誰もいない。

 確かにバイオレンスは満載で、主人公のベニー(ウォーレン・ウォーツ)が、最初は金の為だけにガルシアの首を探して、その道を辿る。一転して、エリータ(イセラ・ヴェガ)と共に生きて行こうと思い、ここは本当に良かったけれども、彼女は…。

 そこが何とも辛かった。それでも、自分のこだわりを貫き通そうとして、ガルシアの首と共に進もうとして、そして果てて行く姿が哀愁を呼んでいた。ガルシアとの首との対話(?)もなんだが切なくて。

 最後はああいう形になって辛いけれども、メキシコ人と結婚と離婚を繰り返し、最後には、自分のこだわりを貫き通そうとして、薬と酒で死んでいくサム・ペキンパーの生き方と重なっているように思う。振り返ると感慨さえある(2021.12.12)。