竜平

ダウン・バイ・ローの竜平のレビュー・感想・評価

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)
3.6
獄中で出会うことになる3人のサエない男、やがて始まる奇妙な友情模様、という話。ジム・ジャームッシュによる緩さ際立つロードムービー。

タイトル『Down By Law』は「親しい兄弟のような間柄」という意味のスラングとのこと。時を同じくしてそれぞれありがちな罠に嵌められ投獄されてしまうラジオDJとポン引き、とそこへまた更に投獄されてくる陽気なイタリア人。演じるのはミュージシャン(ってのはじつは知らなかった)のトム・ウェイツ、初期ジャームッシュ作品に続けて出演していてこちらもミュージシャン(これも知らなかった)のジョン・ルーリー、そしてみんな大好きロベルト・ベニーニ。不意な出会いに始まり、なんとも馬の合わない様子から徐々に、本当に徐々に心を通わせていく、いや通わせていくとか言いつつ通ってるのかどうなのかもあまり見えない感じ、であからさまに意見が衝突したり時には歪み合ったりもあるけど基本雰囲気はのほほんとしてるという、これぞ「オフビート」ってやつかな。そんな中でふんわり描かれる友情模様のなんと微笑ましいこと。3人の行き着く先まで、わるい意味では決してなくダラダラと見れてしまう内容。

この感じはまぁ、平坦な映画が苦手ってな人にはそもそもハマらないだろうなというところ。俺としても、疲れてる時とかに見てたら飽きるか寝るかしてしまったかも。今作に於いてはロベルト・ベニーニがコメディ的な部分でこちらの興味を保ってくれてた気がする、彼ってホント見てるだけで楽しい気分になれるよねーなんて。ちなみに実生活で夫婦であり、のちの『ライフ・イズ・ビューティフル』などでも共演してるベニーニとニコレッタ・ブラスキがここでも共演してるんだけど、調べたら今作の時点ではまだ結婚してなかったってゆー、余談でしたチャンチャン。
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