OASIS

フローレスのOASISのレビュー・感想・評価

フローレス(1999年製作の映画)
2.8
マフィアの金を盗んだチンピラを助けようとして脳卒中で倒れてしまった警察官。
半身麻痺になった彼と、そのリハビリの為に歌を教える事になった友人のオカマとの話。

46歳の若さで亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンに追悼の意味を込めて鑑賞。
この映画の主役は完全にロバート・デ・ニーロで、半身麻痺になり杖をついて呂律も上手く回らないという難しい役に挑み、その演技はもちろん素晴らしかったですが、ドラァグ・クイーン役に扮したPSHが完全に彼を喰ってしまっていました。
女性になりたくても成りきれない彼=彼女の複雑な心情を見事に演じきっており、時にはコミカルな演技で女性以上に乙女チックな一面を見せたりと、彼の繊細な演技を堪能できました。
「セント・オブ・ウーマン」「ブギーナイツ」「ビッグ・リボウスキ」「マグノリア」「その土曜日、7時58分」など、自分のベスト級映画にはかなりの確率で彼が居ました。
主役以上に存在感のある脇役で、彼がいるだけでワンランク上がってしまう稀有な俳優だったと思います。
ヘロイン摂取によるオーバードーズという、死因としては悲しいものがありますが・・・。
ご冥福をお祈りします。

ちなみに映画の出来としては、彼らの演技に頼り切っているような印象を受け、ストーリーや展開に目新しいものは感じませんでした。
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