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死神の骨をしゃぶれのHKのレビュー・感想・評価

死神の骨をしゃぶれ(1973年製作の映画)
3.3
邦題がなかなかのインパクト。
原題はというと、
“LA POLIZIA INCRIMINA, LA LEGGE ASSOLVE(伊)”
“THE POLICE CHARGES, THE LAW QUITS(英)”
“HIGH CRIME(米)”
いくつもありますが、どれにも死神や骨といった単語は無さそうです。

本作は全盛期のフランコ・ネロ(当時32歳)演じる熱血刑事が麻薬ルートを追うサスペンス・アクション。
ユーロ・クライム、イタリアン・アクション、マカロニ・ノワールなどと呼ばれる70年代のB級作品群の中の名作(?)の1本。
監督はネロとはマカロニ・ウェスタンでも何度も組んでいるエンツォ・G・カステラッリ。

本作の前年に大ヒットした『フレンチ・コネクション』の影響をモロに受けたらしく、序盤から犯罪王“シャルニエ”風のフェルナンド・レイは登場するし、 “ポパイ刑事”のごとくヤクの売人を追ってネロが全力疾走するし、派手なカー・チェイスもあります。
でも、バイクで追いかけて人ひき殺したり、女性をボコボコに殴ったり、子供でもお構いなしに車ではねたりするのは、さすがマカロニ風味。

特徴のある音楽はグイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス兄弟。
知らない名前だと思っていたら、またの名をオリバー・オニオンズ!
聞いたことあるなと思ったら、アラン・ドロンの『ゾロ』の主題歌だ!
他にも、テレンス・ヒルとバッド・スペンサーのコメディなど意外と多くの作品を担当。
しかも、イタリアで放送された日本のアニメ(『ドラえもん』『明日のジョー』『銀河鉄道999』など)のイタリア語版主題歌もこの人たちの仕事だとか。
オリバー・オニオンズ恐るべし・・・
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