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グレムリン2/新種誕生のふきのレビュー・感想・評価

グレムリン2/新種誕生(1990年製作の映画)
4.0
「お前らグレムリンはもう知ってるよな? よし、ここからが本番だぞ」と言わんばかりに、バリエーション豊かなグレムリンが画面を縦横無尽に駆け巡るモンスターコメディ作品。

パロディネタは多かったものの、グレムリンが登場するシークエンスなどでちゃんとサスペンスしていた前作と違い、本作はジョー・ダンテ監督が大好きな『ルーニー・テューンズ』的メタフィクションネタ“だけ”で構成されているといっても過言ではない。グレムリンはそれらのネタを実現するための骨格でしかなく、ゾンビのような無個性的大群の脅威だった前作とは完全に役割が異なる。
お話も一応あるにはあるが、全編メタフィクションネタに侵食されているので、「今の短期的な目標はなにか」「最終的にはどうすれば人間が勝てるのか」といったバランスは完全に狂っている。
それでも、画面に映る大量のネタを見ているだけで楽しめてしまう。良い悪いの垣根を越えて、「これはこれでよし!」と思えてしまう。この「ディテールだけで構成された楽しさ」は、マイケル・ベイ監督の『トランスフォーマー』シリーズに近いかもしれない。

まあ『吸血鬼ドラキュラ』が好き私は、ホラー番組のホストを演じるロバート・プロスキー氏や、コウモリの遺伝子を得たグレムリンを見るクリストファー・リー氏の表情だけで満足ですが(真顔)
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