風ノ助

日の名残りの風ノ助のレビュー・感想・評価

日の名残り(1993年製作の映画)
4.0
英国名門貴族ダーリントン卿に執事としての品格を重んじながら忠実に仕えてきた人生を回想していくスティーブンス
厳かだけど音楽のせいでなんとなく不穏な感じがする

語りの途中から、忠誠を尽くしてきたけれど主人の過ちを正せなかった事実、父親のこと、同僚のミス・ケントンの気持ちに気づかないふりをして自分の気持ちに蓋をしてきたことなど後悔の気持ちが見え始め、これまでのエピソードがスティーブンスの主観で語られていたことがわかってくる

人生の夕暮れ時にスティーブンスは何を思うのでしょう

終盤の切ないエピソードの後、彼は残りの人生を前向きに職務を全うすることに気持ちを切り替えます
時代や環境が大きく変化していっても変わらないスティーブンスがそこにいます

二人の大俳優の繊細な中にもユーモアを含ませたお芝居が素晴らしく、不器用な二人をとても魅力的に見せてくれました

ダーリントンホールやキツネ狩りの様子など華やかな英国貴族の暮らしぶりも眼福でした

原作の方がもっと怪しい感じらしいので読んでみたいです
風ノ助

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