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ピカドンのTRBのレビュー・感想・評価

ピカドン(1979年製作の映画)
4.0
ピカは閃光、ドンは爆音

8月6日の8:15に至る朝の日常を描いた短編アニメーション


時折聞こえる笑い声

床の間で支度をする家族
瓦の修繕、登校、出勤で賑わう車内
回転する工場

そこに一機のB29
いわゆる「エノラ・ゲイ」と呼ばれる機体

そこから世界初の原子爆弾『リトルボーイ』が広島の上空にゆっくりと降りていく

夏の朝を一変する閃光
全てを白く塗りつぶした直後、世界はひっくり返る

建物はカタチを失い
人はそのイノチを失う

原爆の恐ろしさをただ純粋に描いている

地獄がどんな処かは知らないけど
きっとこの光景がそうなんだ

それだけのインパクトがある

昔、小学校には原爆の資料が沢山あった
子供に恐怖心を刻むにあまりある写真や体験記、果てはマンガに至るまで

今の小学生はそれらを目にしているんだろうか

確かに辛い過去ではあるし、2度と起きてほしくはない
だからこそのインパクトが必要だとも思う

ピカドン、はだしのゲン、怒り地蔵

次世代を担う子供にはしっかり事実は知り理解し、自分の頭で考えてほしい

過去に戦争はした
何故それを繰り返してはいけないのか
ただ悪い、いけないではなく、意味を理解する為にも辛い過去に目を向けてほしいと思った作品。

あの日、投げられた紙飛行機は今に繋がっている
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