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俺たちの交響楽のTRBのレビュー・感想・評価

俺たちの交響楽(1979年製作の映画)
3.6
時代が変われば青春模様も変わる

日本が1番ガムシャラだった時代の青春

今と比べ、等しく貧しさが見えるけど
活気があり人生を謳歌してる感じが伝わる

とても好き

第九の良さが伝わってきた


川崎でベートーベンの第九を歌いましょう

そう呼びかける合唱団の女性達

下心から近づいた徳次郎だが、意中の人には合唱団内に想い人が

合唱を通じて知り合った男女、それぞれの抱えた思いや苦労を乗り越え、舞台で第九を歌うまでを描く


時代的なものもあってか、非常に好き

なんか現代に比べ表層的な楽しさではなく、全力で青春を送っているというか

エンタテインメントや娯楽が少ない分、文化的な活動に精力的

なんか羨ましくも思う

そんな時代に武田鉄矢がよく似合う

ほぼ『幸福の黄色いハンカチ』の欽也

このバカちんがー言うて

キャストで脇固めてるのが
『男はつらいよ』の面々
安心するぜ〜

渥美清さんも出てるぜ〜

この軽薄なべー助なのに、妙にコミカルで人懐っこい

それでいて芯が熱く、人の為につい動いてしまう

そんな武田鉄矢の役柄がなんとも好きなんだな〜

友里千賀子さんも素朴で可愛らしい
この飾りっ気の無さがなんともたまらない

イイ笑顔するんだ

でも個人的には熊谷真美
ボーイッシュで活力に溢れている女性を演じてるけど、顔が1人だけ現代っぽい

めっちゃ可愛い

喫茶店や寮、工場など
昭和の息づかいが感じられて、なんか元気をもらえる気がする

貧しさの中に幸せがあったというか、昭和の人情味が苦労を笑いに変えている

改めてイイ時代だったんだなと思う

その時の人たちは大変だったんだろうけど、それでも何処か羨ましい

抱える悩みは時代の差はアレど同じ

やはり男女間の悩みは青春に付きもの

異性の目が気になり、それがあるから頑張れるし、小さな事で一喜一憂出来るのも青春ならでは

だから辛い事だって励みにして頑張れる

歳を重ねるとだんだんそんな気持ちも湧かなくなってくる

特にこのご時世、人と接する事が希薄になり、何かを分かち合うと言う経験の希少さがわかった

最近、docomoのcmで高校生のコロナ禍での卒業式が流れてたけど

号泣した

人生で1番華やかな青春時代を犠牲に強いられた今の子達が本当に不憫でならない

いつかこの作品のように、マスクもなく声高らかに人生を賛美出来る日が来てくれる事を心の底から願ってる

こんな時代だから色んな思いを抱えながら観れる、今観るべき作品。

また第九ってのがイイ

あんまり内容知らなかったけど、最後の合唱シーンは本当に感動した

歌いて〜
蝶ネクタイ締めて
歌いて〜
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