FutosiSaito

アメリカン・グラフィティのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)
4.8
 ジョージ=ルーカスの自伝的作品であり、後の青春もののフォーマット。
 特にラストのあとにエピローグ(後日譚)が淡々と字幕によって語られるパターンは、この映画が嚆矢であろう。
 古いところで芦田豊雄のアニメーション『戦国魔神ゴーショーグン』や近いところで『ふしぎの海のナディア』に踏襲されている。『~ナディア』は、出先統と杉野昭夫の『宝島』をふまえているようにも思えるが。
 進学のため都会へ出て行く田舎町のハイスクール生である主人公と仲間たちの、たった一晩のバカ騒ぎ。各シーンにオールディーズが流れるが、ミュージックビデオのない時代に、これもフォーマットとなる巧い使い方をしてあるのが凄い。
 そして、ベトナム戦争の影、これも祭りの終わりというか楽しくまぶしい夜、つまり「遊び」の終わりを告げ、はかない部分をあえて淡々と字幕で処理してあるのも巧い。
 思い出すほどにエポックメーキングな青春映画の傑作だった。チェリーコークやローラースケートなどアイテムの見せ方もよい。
 ジョージ=ルーカスには『スターウォーズ』シリーズもあるが、このルーカスも好きだ。
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