カツマ

ブレックファスト・クラブのカツマのレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
3.8
自分だったらこの中の誰に当てはまるだろう?そんなことを思ってしまうほど10代の象徴的なキャラクターが反映された学園ドラマ。スポーツ馬鹿、ガリ勉、不思議ちゃん、お姫さま、そして不良。この5つのキャラにほとんどの人が分類されそうだけど、分類されなかった人は恐らく今も昔も器用に生きているのではないかな。みんな違っているけれど、不器用で葛藤だらけの10代の鬱屈した想いは同じ。共通項はいつしか5人を結び付け、ブレックファストクラブは最高の夕暮れを迎える。
所謂ブラットパックと呼ばれた俳優達5人が集結した80年代青春映画の花形作品です。

せっかくの土曜日だというのに補修で学校に集められた5人の生徒達。彼らに課せられた課題は『自分とは何か』というレポートだった。意地悪教師は猛禽類のごとく目を光らせ、完全に幽閉されてしまった5人。だが、不良のジョンの悪ふざけから次第に連帯感が生まれ、ついには教師の目を逃れてマリファナを吸っては大騒ぎ!5人の小さな反抗が始まった!彼らにはそれぞれに抱えている悩みがあり、その悩みが5人の心を繋ぎ合わせていくのであった。

劇中の100分ほどで、出会い、軋轢、邂逅と、人との親密度の過程の段階を鮮やかに描き出し、最後には絶妙な着地で青春時代のキラキラした清涼感で満たしてくれる作品だ。スクールカーストなんてぶっ壊してこうして語り合えば、剥き出しの感情はいつしか5人に奇妙な共犯関係を生みだした。
未熟だからこそ瑞々しくて、こんなにも愛おしく思えてしまう、そんな作品。ちょっと懐かしくて、少しだけ恥ずかしい。思春期って大変ですね。
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