ぴのした

時計じかけのオレンジのぴのしたのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.3
うわーお。2001年を見て衝撃を受けてから次はこれしかないだろうと思い鑑賞。

時代と場所は未来のイギリス?パッと見てもわからないかなり独特の世界設定。特に美術面での才能が爆発してる。衣装やセットに加え、その撮り方も。性と暴力の芸術への昇華、そして音楽の使い方。

でも何と言っても僕はやっぱりキューブリックの象徴的な色使いが好きだなあ。

2001年では白と赤(=生命)の使い方が印象的だったけど、今回は白とオレンジの使い方が面白い。

最初の超暴力を繰り返す頃は白が印象的に使われていて、(主人公たちの飲むミルクのお酒やマネキン、真っ白の衣装とか)、実験を受ける施設についた途端、どぎついオレンジの掲示板が目に付き、家に帰ったあとの父親や作家のオレンジのシャツなんかも印象的。

と思えば窓から身を投げたあとは全身真っ白の包帯にぐるぐる巻きにされ、あたかも超暴力の衣装を着ているかのように。

などなど、色を使った主人公の状態の変化の描き方が面白かった。
話としても2001年よりかはわかりやすくテンポも良かったし。キューブリックの好感度がかなり上がった作品。