戦争を哲学的に捉えた名作
派手な戦争アクションを期待すると間延びして退屈に感じるかもしれない
ただ見た目の派手さでは語れない味が本作にはある
オープニングからの原始的な生命の営み、魂に響く音楽、美しい自然の風景
それと対比するように人が起こす戦争の醜さ、大きな戦禍に巻き込まれる兵士の心の葛藤がとても叙情的に、時に激しく、時に儚く、それでいて美しく描かれている
先の大戦、いわゆる第二次世界大戦を描いた作品ではプライベートライアンが有名だけど、個人的にはこちらを推したい
プライベートライアンは視覚的にもヨーロッパ戦線の激しい戦闘を描いていたが、こちらはガナルカダルなど、精神的な部分を大いに描き、特に連合国側と大日本帝国との死闘を描いているので感慨深い
始まりから終わりまで、その場に居合わせたかのように感じる
山肌をそよぐ風を感じたかと思う刹那、鳴り響く激しい爆音に否が応でも緊張感を募らす
初めて敵を撃ち、誇らしくある反面に心を覆う激しい後悔の念
様々な対比を視覚的にも感覚的にも感じさせる映像とシナリオの秀逸さは戦争を題材にした作品の中では稀有な存在
日本兵のセリフ
アメリカ兵のセリフ
それぞれが耳から離れない
アクションではなく戦争を穿った見方で捉えた作品。
本当に良作
感受性を育てるのにとても良い教材