YAZ

愛人 ラマン/恋人・ラマンのYAZのレビュー・感想・評価

3.8
ジャン=J・アノー観る

マルグリット・デュラスの
自伝小説の映画化
1929年仏領インドシナ
父亡くし貧しい家庭に育つ
フランス人少女と華僑裕福で
無職のパリ帰りの男性が愛人
関係になる話

「物語が始まった時、私は15歳半だった」
ジャンヌ・モローのナレーションで始ま
る物語。船上の彼女をなめまわす様に
撮るオープニング。自動車付きで同船し
ている青年に誘われるままでの車中での
二人。深い関係に堕ちる迄のサスペンス
度高くこれは傑作かもと思うが関係持っ
てしまうとそうでもないのはそういうも
のかとも

愛人か娼婦か

華僑とは言え所詮アジア人
欧米人からすれば一つ下のランクの人種
と思うのは当然で少女も「中国人嫌い」
と言い放つしフランス人女性がアジア人
の愛人となるなんてあり得ない。
そんな時代背景考えると常識に囚われな
いデュラスは進んでる女性だなと

そんな関係に加えて金銭的な面での家庭
環境の違いもドラマを作って愛人か娼婦
かというところまで

タイトルからも愛欲で終わる映画かなと
当たり前の様に敬遠してましたけどそれ
だけではなかったですね。
時代とは逆転してる二人のパワーバラン
スとデュラスの自由奔放さが特別な関係
を作ったような気がする。
どこまでセットかは不明ですが空気感も
かなり出ていたのではないでしょうか

デュラスは一家が如何にして貧困に堕ち
たのかも小説にしてるようでそちらの方
も映画化して欲しいな~と思う

53/220
YAZ

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