暴れ豪右衛門の作品情報・感想・評価

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namuge

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気違いじみた家父長制の権化であるところの長男、唯一まともな次男、どうしようもない三男。

俺たちの戦いはこれからだ!
青二歳

青二歳の感想・評価

2.9

このレビューはネタバレを含みます

ゴーリキ“隊長ブーリバ”を原案に、豪農たちが加賀の大名朝倉孝景に対抗するお話。騎馬アクション大迫力!素晴らしい。さすが稲垣浩。三船敏郎はこのくらい単純なキャラが一番安心して観てられます。
時代劇で…戦後の風潮なのかやみくもに反権力を讃える雰囲気がちょっと白けるというか。三船敏郎はサムライという権威を毛嫌いし大名の統治を否定する。さらには侍たちの文化や作法、所作すべてが鼻につくらしい。しかし理由や動機があまりハッキリしないので微妙…

そこで原案ゴーリキの“タラス・ブーリバ”になぞらえて見直す。主人公ブーリバは屈強で粗野なコサックでロシア正教。戦う国はコサックを騙し裏切ったポーランド(異教徒カトリック)。二人の息子がおり次男はポーランド娘に恋をし裏切られ父自ら射殺、長男はポーランド兵に捕まり拷問死。復讐を誓ったブーリバはコサック部隊を率いてゲリラ攻勢を仕掛ける。ついに捕虜となったブーリバは火あぶりの刑に処せられる…ポーランドへの呪詛を叫びながら。
なるほど原案を踏まえると、最後の弔い合戦で単身大名に立ち向かうあの絶望感がなお増す。

生き方を変えられなかった偏屈で不器用な男の愚かさってところでしょうかね。柔軟に兄弟の意見を聞いてあげれば、兄弟を喪うことも無かったろうに…
だからカッコいいヒーロー像に仕上げちゃうのはどうかなと感じました。三船敏郎の単細胞キャラが死に向かうほかないのって、自業自得なんだもん。クライマックスの悲劇性はやや疑問が湧きますが、単騎乗り込む無謀さはあまりに絶望的なので素直に観れば盛り上がるかも。うーん脳内補正でゴーリキーの原案と重ねないと微妙だな。

天下の流れもの加東大介って笑。何このキャラクター。すてき。このキャラのためだけにDVD化希望。
朝倉孝景のもと但馬に西村晃。こういう役もハマりますね。加賀七党の小汚い感じも良くて、富田仲二郎の鯱兵衛ってキャラなんかいいですねえ。