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BIUTIFUL ビューティフルのriesz77のネタバレレビュー・内容・結末

BIUTIFUL ビューティフル(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2017.12.27 in 中野

イニャリトゥ作品で、単独の主人公の話。群像劇の繋がる感じが好きだけどこれはこれで好きだった。『REVENANT』に比べたら劣るのは陰鬱すぎるから

余命2ヶ月の父親。娘と息子がまだ幼く、自分の死後少しでも豊かに暮らせるようにお金を残そうとする。ビューティフルのスペルも知らないくらい学がないから、悪いことをすることでしかお金を稼げない。その余命を知って奮起したところから、すべての行動が裏目に出てしまう。金がない、精神に病をもつ妻も頼れない、自分はそろそろ死ぬ。残された子どもたちを想うと成仏できない。

スペインが舞台だけど、テレビや本で華やかな部分しか見てなかったから、貧困層の住むエリアがここまでとは思わず。東京にもそういうエリアはあるけど、ショックだった。セネガルはまだ近いからわかるけど、やはり中国人はどこにでもいる。最後の一酸化炭素中毒で死んだ中国人労働者の死体が浜辺に打ち上げられる描写はどうかと思うけど、あれが現実なのかもしれない。

陰鬱でカオス。好きな映画にはならないけど、バルデムの演技が良すぎた。ほとんど表情が変わらないのに、絶望感から必死さまで振り幅関係なく伝わる

最初の雪のシーン、最後のシーンとして出てきたときにやっと理解できた。あの演出が良かった。自分よりも若い父親。きちんと成仏できたみたいで。お金は残せなくても彼なりに愛情は残せたから。

フクロウは死ぬときに毛玉を吐くというセリフはよくわからなかった
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