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パンズ・ラビリンスのmiiのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.7
子供がこれ観たら 夢に出てきそうな
ダークファンタジー。
「シェイプ・オブ・ウォーター」監督作品。
似たものがありますね。

少女オフェリアは母の再婚相手の大尉と暮らす事になるが
現状の窮屈さと彼の抑圧から 逃避するようになり
空想のラビリンスを作り出す。
自分は地底の王国の王女であると。
そこは 苦痛のない王国。

新しい父親からは愛されていない自分
お腹の中の赤ちゃんに 母親を取られてしまうかもしれない不安
唯一の味方の母も 今は大尉に気持ちが向いている寂しさ···
このような事から 現実から逃げるためにラビリンスの世界に行き来するようになります。

王女になるにはいくつかの試練を課せられますが
現実世界での試練が
ラビリンスの世界でも投影されていますね。

こうした試練をひとつひとつ乗り越えて
私達は大人になっていきます。

最大の試練 弟を生かすか?殺すか?
彼女の良心が試されますが
彼女のは 正しい道を選ぶ事ができた。
その結果 彼女は王国の王女として迎えられたわけです。

辛い時代に生まれてしまったオフェリア。
大人でも不安な世の中なのに 子供の不安は計り知れないですよね。
少女がこんなにも孤独と疎外感を感じてしまうなんて···
愛情を受け止めてもらえなかった彼女が無意識に逃避していたラビリンス。
子供の心は純粋であるのですよね。

子供が空想の世界を創り出すにしても
ディズニーランドのように
明るい世界を夢見る子供たちが多くなりますように。
mii

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