あや

パンズ・ラビリンスのあやのネタバレレビュー・内容・結末

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

かなりグロいという前情報込みで観たからそこまで衝撃はなかったけどけっこうグロかった、、、

おとぎ話は本当にあったのか、それともオフェリアの妄想だったのかは分からない。
メルセデスが守護神パンのことを知っていたり、最後のシーンで大尉にはパンが見えていなかったりとどちらとも取れる描写があり、おそらく観る人に委ねているのだろうと思う。

医者が大尉に「自分の意思を持たずに従うことは、心のない人間のすることだ」と言う言葉が、全てに従うよう言われたパンの試練で弟を渡さなかったオフェリアの意志の強さを強調しているように思った。

でもやっぱり余計なことをしなければオフェリアはメルセデスと一緒に行けて現実世界で幸せになれたのに、、、と思うのは現実世界が良いものだと思っているからだろうか。

最後のオフェリアの現実世界では血まみれになりながらも、おとぎ話では試練を果たして王女になれたシーンがじわじわと悲しくなる。
結局王国の王女になるには死ぬことが絶対条件で、現実世界から肉体を消滅することで魂はおとぎ話の世界で生きるのであれば、キリスト教の天国に近いものを感じた。
救いが欲しい辛さを抱えているとき、人は宗教にのめり込むのと同じ感覚でおとぎ話を信じているのかもしれない。

メルセデスが主人公ちゃうか思うくらい強くて美しい女性だった、、、
最後の子守唄を歌うシーンも綺麗だった。
現実世界から目を背けずに強く生きることができるメルセデスにはおとぎ話は必要ないのだろう。
あや

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