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モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイルのblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.0
モンティ・パイソンはブラックジョーク、ハイブローなギャグに鋭い風刺、分かりやすいベタなオチを廃した脱構築な展開とキング・オブ・インテリジェンス・ユーモア集団なんで、これが笑えないとけっこう恥ずかしいよね。

笑えなかった、、他の作品はそこその楽しめたからインテリジェンスを有するユーモアが理解できる方だと思ってたのに違ったのかも笑

タイトルのあるようにアーサー王の聖杯伝説を徹底的にふざけ、茶化し倒してる。
徒歩なのに馬に乗ってることにするために椰子の実をパカパカならしながら移動する単純なギャグから、アーサー王なんて単なる我が儘で残虐な独裁者に過ぎないとばかりに「階級を固定化し農民を使い倒すんだよね」みたいなセリフを配下の民に言わせ、その内容が制作当時のイギリスを風刺してる知的なやつから、かなり盛り沢山で知的。
要するに壮大な神話を脱構築してオフビートに変換して笑わせる手法。モンティ・パイソンお得意のやつでよく出来てると思う。
一見、福田雄一の映画見たいなんだけど福田雄一みたいに内輪受けやおもしろい雰囲気を出すためだけの安易なギャグで尺を稼ぐような志しの低い映画ではない。しっかり計算し狙いを持って作ってる。

でも、マジで楽しめなかった。これはモンティ・パイソンのせいじゃなくて自分が教養が浅く聖杯伝説を薄っすらとしか理解してないからで、登場人物達の崩しやギャグ化の意味が分からなくて??となってしまったからなんだよ笑
サブテキストの理解が必須な映画はちゃんと元ネタを把握してから観なきゃダメってことだね笑

しかし、聖杯を手に入れる寸前、数多の人を殺した罪でアーサー王がパトカー🚓に連行させるラストはおもしろかった笑
アーサー王は欲望のために人を殺しまくった犯罪者に過ぎないという神話への茶化しにモンティ・パイソンの反権威性がよく出てた。

強者、権力を笑いの対象にしてるから悪ふざけは痛快なわけで、今の日本でもこういうコメディあってほしいけど国内最大手のお笑い芸能事務所の芸人が権力への幇間芸しか取り柄のない奴等ばかりだから無理だろうね。
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