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ミッドナイト・イン・パリのEeeのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
4.1
少し前の児童小説みたいな設定で、それがノスタルジックを助長させる。

パリの夜の石畳、もっと踏みしめておけばよかったなぁと終始歯軋りしてしまった。
ヨーロッパ独特のあの浮ついた、悔しいくらいに洒落ついた空気と、人のうわべっぽさが恋しい。

夜の象徴のようなMarion Cotillardの妖しい美しさと、朝の光のようなレアセドゥ嬢の対比、、わかるけど、良くも悪くも男性視点の一点張りみたいな設定(ウディアレンおじさんについては敢えて言及を控えたい)。
そう考えるとBelle Époqueは装飾の枠組みの中に女を組み込む印象が強い。男性のファンタズム的な黄金期だったのかもしれない。
ただそこが転換期であることも然り。
大好きなハナギャツビーが、女性憎悪の塊としてのピカソの話をしていたことを思い出す。

そんな薄っぺらな知識を差し置いても、疲れ果てて戻った異国のホテルで、何となくつけたラジオを聴き流した後のような、不思議な後味の残る作品。
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