ますみん

ミッドナイト・イン・パリのますみんのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
3.4
大好きなパリで、憧れの1920年代にタイムスリップする男の話。
タイムスリップものといっても、その原理や理由に一切触れられないところがいい!過去の時代からさらに過去へ移動するなんていう大技をやってのけるのに、この映画の大切なところはもっと他にあると言わんばかりに、その現象について言及していない。
フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソ・・過去の人物の人選、繋がりの描き方が素晴らしい。主人公ギルの憧れの人々が生きる時代。彼のミーハーさも相まって、豪華な顔ぶれがよりカリスマ的に見えた。

ギル曰く「"今"は満たされないものなんだ。それが人生だから」。誰もが過去の黄金時代を省みるもの。いつかこの時代も憧れをもって賞賛される日がくるのかな。

冒頭のパリの映像や、さりげなく背景に映るエッフェル塔、小道の美しさ。パリに行ったことのない人でも、パリの空気や雰囲気が味わえる映像美。昼と夜どちらが素敵か、雨のパリの美しさについて語るギルの感動が伝わってくるよう。

ガートルード・スタインは数々の名言を生みだしていたけど、この映画にぴったりの言葉を。
「アメリカは我が祖国、パリは私の故郷である」
ますみん

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