ますみん

バード・ボックスのますみんのレビュー・感想・評価

バード・ボックス(2018年製作の映画)
3.7
「それ」を見たら死んでしまう。流行りの〇〇してはいけない系パニック作品。

この映画のポイントは「パニック映画でお馴染みのみなさんが登場!」というところ。このベタなメンバーをそのまま色んな映画に使いまわせそう。

タフでクールなワケあり女主人公
嫌味ったらしい傲慢なジジイ
芯の強そうな女性警官
バンドマン風のヤンキー男
パソコンに詳しいアジア系男性
気弱なスーパーの店員
優しくていざという時頼れるお婆ちゃん
元軍人の屈強な黒人
足手まといでトラブルを呼ぶ女の子、
怪しすぎるビジネスマン風の男

これらの面々が避難先の家に大集合!さらに絶対に生き残れそうな利口な子供たちも登場して、もう災害モノもゾンビ映画も作れちゃいそうな感じ。いつものメンバーで視聴者を安心させながらも、なんだかんだ予想を上回ってくる!
嫌味なジジイが言うことは実は正論だし、ヤンキー男のとる行動は理にかなってる。アジア系男性の意外な勇気!それぞれの行動がさり気なくも細かく描写されていて、リアリティがあった。
窓を塞いだ車の中で接近感知アラームを使ったホラー演出は、現代ならではでとても緊迫感が出ていた!

音を立ててはいけない「ドント・ブリーズ」「クワイエット・プレイス」など、最近は制約がある中で生き抜くシチュエーションサバイバル映画が流行りだけど、この作品はそこに「ミスト」や「ハプニング」等の得体の知れない何かに襲われる系をプラスした感じ。さらには視界を塞ぐ「ブラインドネス」の要素も!
「見てはいけない何か」についての描写が不明瞭なのもホラー感を出していてよかった。この手の映画で大切なのは、正体や結果より「過程」だなあとしみじみ思う。思想も人種も違う人々が団結し、選択を迫られるのがいいんだよね。

女主人公マロリーは、冒頭から孤独を好んで人と壁を作るタイプだと示唆されているんだけど、意外にも心が通じ合ったのは敵対しがちな嫌味ったらしいジジイだったり。皮肉や文句ばかりのジジイは暴言を吐く相手を選ばない。その正直である意味差別のない態度がマロリーと相性が良かったのかも。女だから妊婦だから、自分の妻が死ぬきっかけを作った人だから、なんてことは関係なく、ただ自分に反抗的でカンに触るマロリーに対して、お互い同じ孤独を感じたのかもね。

とにかくマロリー役のサンドラ・ブロックの鼻の違和感が気になる名作!派手さはないけど、確かな何かがもらえる映画だよ!
ますみん

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