ますみん

ゼロ・グラビティのますみんのレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
4.1
スペースシャトルで船外作業中にデブリ群に巻き込まれたライアン博士。無重力空間での孤独な戦い。

もし自分がライアンと同じ状況に立たされた時、果たして生き残れるだろうか。一人孤独に宇宙に放り出されて、生き残ろうと足掻けるかな。
死に直面した寂しさの中、通信が繋がった先は「アニンガ」さん。救助を求める合図メーデーを名前と勘違いし、犬が鳴き、赤ちゃんをあやし子守唄を歌う陽気なアニンガ。孤独を薄めてくれる声を聞きながら、亡き娘を思い出し、死を覚悟するライアン。
このアニンガにも悲しいストーリーがある。スピンオフの「アニンガ」も是非みて欲しいな。

映画の中では様々な陰と陽が登場していました。ハッチを閉じるのに邪魔になった消化器が、船外移動に役立つ。小型艇を地上に降ろす為のパラシュートがデブリに引っかかる。地上へ向かうシャトルは、動かせなければ棺桶になってしまう。平和そうなアニンガは悲しみを背負っている。

ストーリーのほとんどが宇宙で展開されていて、その映像が本当に美しい。主人公ライアンを遠くから映していると思ったら、ぐっと回り込んで気づいたら彼女のヘルメットからの視界へとアングルが動いている。無重力空間だからこその大胆なカメラ回し。

スペースシャトル、国際宇宙ステーション、中国の宇宙ステーションと、次から次へ目標が変わっていくのも面白い。
サンドラ・ブロックの名演技は言わずもがな。いつも頭を揺らしながら喋るジョージ・クルーニーは、ヘルメットの中でも頭を揺らしていて可愛い。
ますみん

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