A8

サイコのA8のレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
3.6
物語の途中で主人公が代わり、作品のジャンルもそれと同時に変わる、、しかも自然な流れで。さすがヒッチコックと言わんばかりに引き込まれる世界観は芸術そのもの。

主人公が男とホテルでいるシーンから始まるのだが、その場面にカメラが向く前に、遠目から街をぐるーっと舐めるように見渡し彼らを映す。その撮影方法は、この世界が本当に実在していて、その世界の“ある点”を切り出したまでであると言った感じでリアルに感じることに繋がっているようであった。

ある日主人公は、勤めている会社で大金を渡される。彼女は体調が悪いと言い早退する前にその大金を銀行に預けるということで会社を出ていく。しかし、すぐさま家に帰り身支度を済ませ車を走り出す。“逃げた”のだ。
その“逃げる”という行為には“ハラハラ感”が重要になると思う。
“先頭で信号待ちをしていると、勤めていた会社の社長と目が合い絶妙の間が緊迫感を呼び立たせる”
“不要なほどついてきて、サングラスをかけている警察官に怪しまれる”など、、
その状況にあった雰囲気を作り出すのが天才的であると感じた。


彼女が主人公だった物語が途中で変わるのである。逃避行先に泊まったホテルにて、彼女は無惨にも殺されてしまう、、。
連絡がつかなくなった彼女を探すという展開へ、、冒頭に出てきた男と彼女の妹が物語の主人公となる。
逃避行→サスペンスと変わるのである。
そして、その事件の真相がついにわかり、、

逃避行→サスペンス→衝撃のラスト、、となる。
A8

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