Kuuta

サイコのKuutaのレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
3.7
ミスターガラスの予習で、スプリットを見直そうかとも思ったが、やっぱり元ネタを見る気分に。

お化け屋敷のような鳥籠の中で、罠にかかった小鳥マリオン(ジャネット・リー)。どこにでもある男女のロマンスから映画を始めて、あえてその道から外していく構成が面白い。「主人公」「犯人」「探偵」の不在を脚本に組み込み、先を読みにくくする事で見る側の不安を煽っている。

応接間での会話シーン、大きな鳥の剥製が、カットを割りながら小鳥を狙っている。小鳥のマリオンは「フェニックス」に逃げようとするが、立ち上がるとその後ろの壁にはカラスの剥製が…。雨に打たれてモーテルに着き、シャワーを浴びて死に、沼に埋葬される。カラーでなくあえて白黒を選択したヒッチコックの照明演出が見事。

目のアップ。マクガフィンは四万ドルか。殺虫剤すら伏線。一番美味しいネタバラしが全て台詞なのは何か勿体無い感じがしてしまう。74点。
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