しぇんみん

アバターのしぇんみんのレビュー・感想・評価

アバター(2009年製作の映画)
4.0
「地上に降りた神の化身」

人類が資源を求め外宇宙に進出した未来。

アルファ・ケンタウリ星系の惑星ポリフェマスで最大の衛星パンドラ。

その星の地表には人間型の高等生物「ナヴィ」が生活を営み、「エイワ」と呼ばれる巨大な神木を信仰していた。

彼の地の重要性に気付いた人類は調査を開始する。

地球環境との違いを克服し、原住民との交流がし易くなるよう、ナヴィの生体を利用した「アバター」を使用した現地調査。

だがアバターの遠隔操作運用には、その生体に適合する専任者が必要だった。

主人公ジェイクは従軍した戦争により下半身が不自由になっていたが、アバターの専任者だった双子の兄弟が事故で死亡したため遺伝子の適合性から代理として選ばれる。

ジェイクはアバターのお蔭で健全な身体を手に入れ、惑星パンドラの探査に勤しむが、現地の獣に襲われ仲間と逸れてしまう。

そしてナヴィの女性ネイティリと出会い助けられる。

当初は嫌悪感も露わに扱われていたジェイクだが、彼女の集落にも通い交流を続けうち、徐々に受け入れられていく。

彼がナヴィの戦士として成長したころ、神木の下に希少鉱物アンオブタニウムの鉱床が広がっているであろうことを突き止める。

報告したジェイクは有利な交渉を期待されるも難航し、しびれを切らした人類は強行手段に出るのだった...。

「3D映画」であることを全面に押し出して売り出した作品。

確かにこの映画ほど3D映画に適しているものはないと思う。

奥行きと動きを実感させる映像と効果的な音楽。

それは圧倒的な情報量を以って五感を刺激し、見るものをパンドラへと誘う。観客は知らぬうちにナヴィとして感じ、考えているだろう。

物語のテーマは、数多の手法で描かれてきた「異文化・異文明の対立と交流」だ。

相手を理解する努力すらしない敵地へ放り込まれた主人公が、その文化に適応し、終には生きる目的として命を掛けるまでになる。

本作の本質は自然、文化への敬意と、命の尊重だ。

陳腐な物語ではあるが、最新の技術を以って荘厳なイメージを観客に与え、印象に残る作品となっている。

ハナマル!

2016/07/16
2018/02/28 スコア修正
2018/12/08 一部修正
しぇんみん

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