千年女優

SF/ボディ・スナッチャーの千年女優のレビュー・感想・評価

SF/ボディ・スナッチャー(1978年製作の映画)
4.0
サンフランシスコ保険局に勤める公衆衛生調査官で、同僚のエリザベスから恋人ジェフリーの態度がある日から一変したと相談を受けたマシュー・ベネル。始めは一笑に付していたものの徐々に周囲の人に感情を失ったかのような症状が頻出して危機感を覚えた彼が、宇宙から飛来した生命体による文明侵食に戦慄する様を描いたSFホラーです。

ハーバード・ロー・スクール卒業後に教鞭を取りながら映画製作に関わっていたフィリップ・カウフマンが、ジャック・フィニイの『盗まれた街』を原作としたドン・シーゲル監督作品を22年ぶりにリメイクした1978年公開の作品で、SF映画の古典に負けぬ評価を獲得して後に『レイダース/失われたアーク』らの原案を手掛ける事になりました。

80分とコンパクトだったリメイク元に対してたっぷり115分で制作された作品で、原作が持つ「日常が侵食される恐怖」を段階的な展開で表現して拡張した時間を適切に活用します。1956年に比べて進化した撮影技術も効果的に寄生する地球外生命体のおぞましさを表現していて、リメイクでのアップデートにことごとく成功している一作です。
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