シネラー

名探偵コナン 天国へのカウントダウンのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
最新作の公開前なので、
宿敵である黒の組織が映画で初登場した
劇場版第5作を再鑑賞。
何度も繰り返して観ているが、
テンポ良い展開に謎解きと
アクションのバランスも良い、
コナン映画の傑作だと思う。

完成間近のツインタワービルに関わる
連続殺人事件が起こる中、
事件の裏で暗躍する黒の組織による
ビルの爆破が巻き起こり、
事件解決と共にビルからの脱出劇を描く
内容となっているが、
激しいアクションと謎解きに
子ども達の奮闘劇が上手く
噛み合っていると思った。
組織の裏切者でコナンと同じく
幼児化した灰原哀に
物語の焦点が当てられており、
孤独感に苛まれている灰原を救う
少年探偵団の面々の場面はとても良かった。
その少年探偵団の光彦や歩美も
蘭に恋相談する場面があり、
コナンや灰原の正体を知っている
からこその儚さと微笑ましさがあった。
灰原に焦点を当てつつも、
本来のヒロインでもある蘭も
コナンを助ける場面をはじめとして、
頼れるお姉さん的な役回りが多いのも
個人的に良いと思う部分だった。
事件の謎解きに関しても伏線が
冒頭から描写され、
事態の突破口となる布石が丁寧に
描かれている印象を受けた。
本作のメインテーマと相まっての
コナンのスケボー場面や結末部分での
アクションも良く、
個人的にコナンのメインテーマは
本作のようなアレンジが
改めて一番好きだと思った。

しかしながら、
黒の組織のジンによる狙撃場面は、
シリアスながらもその抜け目に
笑えてしまう一幕ではあるだろう。
結末における車での脱出劇も
直前で速度の数式を考えて
所要時間を割り出しているだけに、
約2秒にこれだけの事をしたのか
という突っ込みはご愛嬌だと思った。
又、蘭が必死にコナンを助けたのに、
数分後には炎上するビルにコナンが
戻るのも笑ってしまう部分だ。

黒の組織が関わる事での
シリアスさがありつつも、
お馴染みの登場人物達の明るさも
際立っていると感じられる
傑作のコナン映画だと思った。
米粒を一つでも残したら罰が当たるは、
私の好きな教訓の一つだ。
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