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クレージーだよ奇想天外のumihayatoのレビュー・感想・評価

クレージーだよ奇想天外(1966年製作の映画)
5.0
地球の戦争のせいで宇宙にまで迷惑が来るようでは困るから、地球に行って平和を守れ!
とのことで軍隊も戦争もない日本に来た谷啓を通して、人間社会がいかにクレイジーで奇想天外かが描かれる。

ラストに出てくる国会での植木等演じるエセ総理の起こす騒動が最高。
起きろ!国会内暴動!
大規模デモ!

内田裕也若いっ!!
レトロフューチャーすぎるTV台
クレイジーシリーズはやっぱ歌が良いよね

最近よくこういう映画に当たるな〜


大企業システム
選挙システム
政権との癒着
軍備
出世システム
男女のモヤモヤ
子供の進路
ストリップ


高度経済成長の中で、土木や機械産業の活躍が大きなお金を産んだのは想像に難しくない。
その金がなければ日本は回らないのだから、癒着した政治家の当選や打ち出す法案にも大きく影響を及ぼしてきただろう。
昨今日本も景気の落ち込みからこれら産業の利権にありつこうとオリンピックだなんだと都市開発を色々やっているが最早世界で日本の技術は最高に遅れていて、独自の魅力を打ち出せてもいないので、世界から爆発的に観光客も殺到しないし、賄賂まで。
上で金は使い切られ、下には降りてこない。
愚かである。
世界中や自衛隊の軍備や戦闘行為も、ただただ先に挙げた大企業とそれと繋がる兵器製造業の利権を常に回す為にあるということもよく分かる映画であった。
気を抜くとすぐ戦争という最大利権にありつこうとする。
そういう輩達にとっての貧困脱出と経済回復は、子供や新しい年代への未知なる希望への先行投資ではなく、さきの戦争行為によって自分とは関係ない遠くの国で多大な犠牲を出しながらも武器輸出等で私腹を肥した成功体験に他ならない。
怖い話だ。
何が笑えるかってこの映画で起きてる事がまんま今の政界に当てはめられる事。
それを激しく皮肉り批判した素晴らしい平和に向けた傑作であった。
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