ビターチョコ

JAWS/ジョーズのビターチョコのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
5.0
1975年のアメリカ映画。誰が観ても判りやすく、満足感を得ることが出来る映画だろう。鮫映画のパイオニアで、超特大ヒットしたものだから、「jaw」は顎(あご)という意味なのに、アメリカ本国でも「鮫」を意味するようになってるらしい。ちなみに原作小説は、(映画公開)前年の1974年に発表されたそうだ。

あらすじ。
夏の海が重要な観光資源の島に、巨大な人食い鮫が現れた。たった一匹だが、凶暴で頭がいい。最初に若い女性が犠牲になったが、島の上層部は「凶暴な鮫が来たこと」を認めようとしない。情報を隠したから、次に、人で賑わう海水浴場で小さな男の子が犠牲になった。ついに怒った警察署長が動く! 臆病な男だった彼が、ついに男を見せる! 痛快娯楽大作映画。

主人公は島の警察署長。偉そうな人物じゃなく、愛する妻と、二人の小さな子供がいる平凡な男で、海が苦手。そんな彼が苦手な海に出て行き、荒くれ船長と、愉快な海洋学者と一緒に鮫退治に苦戦するが……。

鮫は予想以上に巨大だ!
さらに狡猾で攻撃的だ!
「この船では奴に勝てない」
それが判ったとき、男たちに退路はなかった……。

「やるしかない!」

スピルバーグ監督の大出世作。だが当時、まだ二十代で若かった彼は、撮影現場で、スタッフが思うように動いてくれなかったらしい。さらに鮫のメカもポンコツだったため、あの鮫視点の演出が生まれたらしい。それが本当なら、まさに「ケガの巧妙」だ。

この映画は何といっても、人間が描けている。男たち三人のドラマはもちろん、海に出る前に島の人たちが「きちん」と描かれてるから、主人公の警察署長だけでなく「観客のモチベーション」も高まっていく。

私にとって何度観ても楽しめる映画で、まるで映画の……創作の教科書だ。

もう40年以上前の映画だから、30歳の人にとっては古臭い映画なのかもしれないが、この映画がわかる30歳はたぶん「いい奴」だ。いや、年齢は関係なく、この映画の細部まで語れる人は、たぶん「いい奴」だろう。