タキ

ヒトラー 〜最期の12日間〜のタキのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
3.9
これほどガッツリとヒトラーがでてくる映画を初めて見た。戦時下のナチスドイツを題材にしていてもかの人はチラッとでてくるか大きな肖像画のみというのが定番だった。この作品では主に個人秘書をしていた女性の目で見たヒトラーを描いているが、彼は秘書に対しては一度も声を荒らげることなくいつも穏やかで彼女らがベルリンから脱出することを許している。一方で部下に対してツバを飛ばしながら大声をだして激昂する姿も描かれていて、その感情の振れ幅に周囲はある時は心酔し、有事には振り回され疲弊し思考を低下させるのだろうなという気がした。
なんと言っても1番怖かったのが政府の国民を見捨てるときの言い訳だった。ベルリンの市街戦でたくさんの市民が犠牲になろうとも、彼らが(選挙で自分たちを)選んだのだから自業自得だと。外交を放棄した国は戦争になり市街戦ともなれば1番に国民を見捨てる。肝に銘じておかねばならない。諦めないで選挙に行こう。
NHKBSプレミアムにて。
タキ

タキ