こたつムービー

飾窓の女のこたつムービーのレビュー・感想・評価

飾窓の女(1944年製作の映画)
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フリッツラングの傑作。
フィルムノワール史としてもフリッツラング作品からはこの「飾窓の女」と「緋色の街」は外せない。というわけで巨匠の本作を堪能。(以下ネタバレます)


ぐいぐいくるねー


このぐいぐい包囲網が追ってくる展開は悪魔的であり悪夢だ。で、文字通り悪夢なんだが。

で、他のレビューには夢オチへの「否」が目立つがそうかあ? オレなんかはホッとしたがね?

それも居間からロータリークラブの椅子に変わるトリックカットも見事だぞ?
ああよかった、変な気おこさず歯あ磨いて寝よ、って気になるじゃん。最高だと思うけどね。

でね?
じゃあ仮に、本当にこの夢オチに納得いかない場合は、この1年後に作られる、ほとんど続編と言っていい「緋色の街」を観ることを強く勧めるよ。

フリッツラング劇団と言っていい程キャスト同じで「アンサー映画」作ってるから。

この映画がいかにウェルメイドかが判ると思う。
(おそらく当時も言われたんだろう、夢オチかよ、と。じゃあやりましょうかっつー気合いの入った傑作が「緋色の街」と推測できるんだよね)


それと筆は伸びるが「フィルムノワール」。
映画史の教科書的な意味づけを一応ここで。

近代化、都市化、或いは大恐慌を経て、女性の地位の向上を背景とする男性の「女性恐怖」が下敷きにあるんだよ。ただモノクロでサスペンスならノワールってわけじゃない。女性恐怖、その基本を押さえ観ると味わいも深くなるので夜路志駆。

その観点からも、故に、この作品は悪夢だからいいと言えるなあ。とにもかくにも提供ありがとうAmazon prime。


で! このレビューは「飾窓の女2:緋色の街〜スカーレットストリート」に続きます。笑