shibamike

飾窓の女のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

飾窓の女(1944年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

殺人心理学が専門の大学准教授おじさまが主人公。
大勢の学生の前で講義。

准教授「えー、殺人には二種類あります。一つは故意の殺人。もう一つは過失による殺人。後者の殺人を強盗なんかの故意の殺人と同じように考えることはできません。」
そらそうや。

場面が変わり…

准教授おじさまと同年代のナイスミドルおじさま二人が楽しく夜にお酒を飲みながら話している。

ナイスミドル1「俺らも年を取ったなぁ~、がはは!」
准教授「繰り返す日常に嫌気が差すけど、冒険する気力がもうないよ。」
ナイスミドル2「そうは言っても、男はいくつになってもバカをやるものだぜ。年齢に関係無くバカをしでかすのは恋にのぼせた時だな。」
准教授「へぇ~。そんなもんかね~。」
ナイスミドル1「ま、君はそんなバカな過ち犯さないよ!がはは!」

その後、准教授おじさまの前に絵画モデルをしているとびっきりの美人(マジで美人)が現れて、逆ナンをしてきて、ホイホイ女の部屋について行ったら、彼氏(というかパトロン)と出くわして、もみ合いになって、准教授おじさまは弾みで男を殺してしまう…
(にしても女はえらくスムーズにハサミ渡したよね。最初、女の計画殺人と思った。)


本作の序盤は、こってりコテコテで背油浮きまくりな前フリの数々。映画はこの濃厚前フリのスープを残さず飲み干して回収していく。
我々観客は穿った見方をしなくても、ホント素直に話が進む。
自分はあんまり面白くなかった。

サスペンス風なのだが、准教授おじさまが滑稽で、場内は笑い声多発。ユーモアのMVPは死体を発見したボーイスカウトのクソデブ坊や。でも、フリッツ・ラング監督のユーモアはちょっと「どうよ!面白いっしょ!」感がある気がして苦手の気配。

結末は准教授おじさまの夢オチという噴飯ラストなのだが、ウィキペディアを見ると、「当時の倫理コードを守るため、自殺のラストを夢オチのラストに変更した」とあり、何だかなぁ~、と心の阿藤快が首をもたげた。

世間的に本作の評価は不朽の名作扱いらしいが、自分には良さがわからなかった。ヒッチコックのサスペンスの方が面白いと思う。

ジョーン・ベネットの美しさはホントに絵画。俺も肖像画に見惚れながら、低く長い口笛を吹きたい。ひゅ…ひゅ、あれ吹けねえ。
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