Punisher田中

ザ・セルのPunisher田中のレビュー・感想・評価

ザ・セル(2000年製作の映画)
3.8
小児精神科医のキャサリンは、昏睡状態に陥った少年の精神世界に入り込み、少年の精神と対話を試みる治療に携わっていた。
しかしある日、連続殺人犯による殺人事件が相次ぐ中、犯人が遂に逮捕されたかと思うと、被害者がまだ1人監禁されているということが発覚。
精神科の技術を用いて、キャサリンは連続殺人犯の精神世界へ入り込み、監禁されている被害者の居場所を探ろうとするが...。

人間の精神世界を狂気的且つ美しく表現しきった作品。
といいつつも、内心はもう「うおおおお!!石岡瑛子ぉぉぉぉ!!石岡瑛子様ぁぁぁぁぁぁあ!!!」と脳内が石岡瑛子さんへのリスペクトで頭がいっぱいで作品どころではなかったかもしれない。
やはり、ストーリーというよりかは、精神世界の表現や時折、精神世界中のモノやヒトから溢れ出る美を只々崇める作品という印象。
特に、石岡瑛子さんデザインの衣装は連続殺人犯の狂気に満ち満ちている精神世界の雰囲気や緊張感を醸し出す仕事をしっかり果たしていた。ジェニファー・ロペス扮するキャサリンの変化する姿もかなり魅力的なので是非衣装に着目して鑑賞して欲しい作品。

精神世界の他にも、連続殺人犯のキャラクター造形も本作を楽しめた理由の一つになっていた。
少年時代、親に虐待されていた影響で、自分の持っていた人形にしか自分を曝け出せないという所を殺人方法や殺人の動機に絡めていたのは見事。
この殺人犯絡みの設定は、サイコサスペンスとしてのレベルを引き上げていた。
ただ、精神世界関連でわけのわからないシーンがかなり多いので、この辺りは何回も鑑賞が必要だと感じられた。
個人的に1番グッと来たシーンは生きていた馬が目の前でスライスされるシーン。
ジョジョ5部のホルマリン漬けにされた死体の一部が丁寧に郵送されてくるみたいでショッキングだったけどもワクワクした。
映像美に圧倒され過ぎてかなり言葉足らずなレビューになったが、それほどにもインパクトを与えてくれる作品なので、是非鑑賞して貰いたい。
今作を鑑賞してよォ〜〜、イカれてる美にぶん殴られ続けなッ!!!!!!