竜平

テイク・シェルターの竜平のレビュー・感想・評価

テイク・シェルター(2011年製作の映画)
3.5
のどかな田舎町で暮らす三人家族、その夫が何やら悪夢に悩まされるようになり、これまでの日常が狂い始める。悪夢の正体とは、そして一家の運命は、という感じの話。

終末的ディザスターなのか狂人によるスリラーなのか、まずジャンルから観客を翻弄してくる内容。これはしっかり勘ぐりつつ見てほしいところ。主人公である夫を演じるのがマイケル・シャノン、その妻を演じるのがジェシカ・チャステイン。夫カーティスは突如としてどデカい嵐や色のついた謎の雨や狂いゆく知人やらが出てくる不快な夢を見るようになり、それに付随して起こる出来事によって少しずつ日常にも影響が出てきてしまう。状況は悪化していって、ひとつまたひとつと平穏が崩れていく。これは予知夢か何かなのか、はたまた妄想なのか、淡々と描かれていく中で同時に夫は家族の身を守るためと称して「地下シェルター」を増設し始める。ここらへんは幼い一人娘が難聴の障害を持っていること、決して裕福な家庭でなく健康保険やらの問題があることも関わってきたりして。やがて周囲はもちろん、親友や妻からも人間性を疑われていくわけだけど、主人公には何やら母親にまつわる過去のエピソードがあったりもして、今回のことがそれに起因してるのか、とか、遺伝や何かもあるのか、とか、とにかく謎が謎のまま進んでいく。

終盤でようやく目に見える本題に突入。まぁ、こちらの思考を煽る時間、これは「焦らし」と取るべきなんだけど、単に長いと感じてしまう人もいるんじゃないかってなところ。退屈とまでは言わずともわりとずっと静かだし。マイケル・シャノンの好演とジェシカ・チャステインの美しさもありーので個人的には結構見入ってしまった。じつは伏線となるようなシーンやセリフってのが随所にあって、それを加味しつつ、ラストにはどっちなんだろうと想像させるようなものが待ち受ける。そんなこんなで結局俺は見終わってからネット上にある解説に頼ってしまったんだけどねー。集中力がある時に、そして鑑賞後の考察ありきでオススメしたい一本。
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