くわまんG

バーチュオシティのくわまんGのレビュー・感想・評価

バーチュオシティ(1995年製作の映画)
4.5
あらすじ:他人の不幸で憂さ晴らししてると、いつか必ず自身が不幸になるよ。

凶悪犯の人格を200人分ミックスした警官訓練プログラム“シド”が肉体をのっとって大暴れ!最強の囚人パーカーをぶつけるぜ!…というお話。

シド(ラッセル・クロウ)は、『ダークナイト』のジョーカーに匹敵する快楽殺人鬼。その挙動も、存在自体も問いかけになっています。

パーカー(デンゼル・ワシントン)は、シドの中の一人グライムスに妻子を殺された元刑事。パワーアップして甦った世界一憎い男と、再び対峙することに。

これは、パーカーが過去を浄化する物語。あの日妻子を守れずに負った深傷を癒やすために、今度こそヒロイン親子を守り抜こうと決心。そのモチベーションは、シドに負けず劣らず狂人の域。

凶悪犯200人分の知能と、すぐ再生する肉体を兼備したシドを、どうやって倒すか。この辺のギミックもなかなかのみどころ。しっかりSFしてました。

ラッセル・クロウの“悪の権化”芸が見もの。中でも悲鳴のサンプリングは出色の胸糞。吹き替えは大塚芳忠で二度おいしいです。デンゼル・ワシントンの吐き捨てるような早口も、いつも通りカッコいい。

B級ですが、かなり凝ったSFクライムアクション。ラストで安易に結ばれない、漢のハッピーエンドもエモい。痺れる傑作。