くわまんG

ANIMAのくわまんGのレビュー・感想・評価

ANIMA(2019年製作の映画)
4.0
ひとは孤独だ。そんなことは15年も生きれば分かる。こんなに孤独なのは自分だけだと感じ、身動きがとれなくなる。でもそうじゃない。

それは、あなたが孤独感に抗うため、命の次に大切に育んできた“こだわり”が、マジョリティに踏みにじられて紙くずと化した時にわかる。あなたと同じ孤独感に苛まれてもがく誰かが、あなたの近くで泣いているのに気づいた時にわかる。さよう、みんな孤独なのだ。

でも、そんな誰かが一緒に泣いてくれるなら、一緒に踊ってくれるなら、一緒に死んでくれるなら、人生は孤独だけど明るい。必死にもがいて、あなたが自己防衛や存在証明のために作り上げた“こだわり”を手放した時、そのひとは隣にいるはず。

老体に鞭打ってダンス頑張ったトム・ヨークに拍手。相変わらずのアートエリート面がカッコいい。あと、やっぱりキーボードがカッコいい。

PTAが演出する夜明けシーンにはいつも泣かされる。