正当な教育を受けずインドのスラムで生まれ育った少年が、自身の人生を振り返りながらクイズに答えていく。
機転を利かして、ときには自分の手を血で汚しても生き残ろうとした兄サリームと、
初恋の人をいつまでも思い続け、夢を追い続ける誠実で真っ直ぐな弟ジャマール。
この二人の対比がお互いを強調し合いキャラクターの個性を相乗的に引き出していた。
インドにおけるスラムの実態をみせながら、映画としての完成度が凄い。
特にクライマックスでは畳み掛けるようにあらゆる出来事に終止符が打たれ、新たな希望が生まれてくる。
また小さなことが次々と繋がっていく様子が映画に味を与えて、興奮を促してくれた。
映画を観ていると自分は現実から逃げだしたいだけかもしれないと思うことがある。
でもこの映画をみたら、映画から自分はなにか生きていくために必要なもの、希望とか夢、をもらっているんだと感じた。
