クーベルタンはな

笑の大学のクーベルタンはなのレビュー・感想・評価

笑の大学(2004年製作の映画)
3.4
昭和15年、日本は太平洋戦争の道を歩み始めていた。娯楽である演劇は規制され警察で台本の検閲を受けなければ上演できない。生まれて一度も心の底から笑ったことがない検閲官、向坂睦男(役所広司)と劇団笑の大学の作家、椿一(稲垣吾郎)が取り調べ室で顔を合わせる。

笑いに理解のない向坂はこのご時世に低俗な軽演劇など不謹慎であり上演する必要はないと考えている。

笑の大学を上演中止にするべく椿の台本に対して笑いを排除するような無理難題を課していく。椿は何としても上演許可を貰うために向坂の要求を飲みながらも更に笑いを増やす抜け道を必死に考え書き直していく。お国の為という言葉を入れて欲しいと向坂。検閲、書き直しを繰り返していくうちに向坂と椿、警察署長から警察官を登場させて欲しいと言われまた書き直し。次第に不思議な友情が芽生える。

笑ったことのない向坂を笑わせることができるのか?

向坂も台本の書き直しに積極的に参加。
ようやく台本は完成。台本作りに夢中になったあまり向坂は自分の職務を忘れていたことに気付く。最後の難問、一切の笑いをなくすように椿に申し付ける。笑のない喜劇。
書き直してきた椿の台本は笑いばかり。笑わない向坂を笑わせた。
椿の元には召集礼状が届く。

くすくす笑えていたのに最後はジーンと込み上げてくるのがあります。