ある日突然喋らなくなった女優エリザベートの介護を任された看護師アルマ。都会から離れ、海のそばにある別荘に2人きりで療養することになるが次第に2人の関係性が変化していく。
ホラー映画顔負けの不気味なオープニングから始まるこの映画、何が起こるのかと身構えてたものの意外と平穏な感じに物語は進んでいった。
最初は患者と看護師だった立場が徐々に相談相手、親友、恋人と密接したものになっていくまでは微笑ましく思てきたけど、ある出来事をきっかけに2人が対立した所から現実と妄想が交差していきお互いを洗脳し合うようなやり取りが続いた末に2人は１つになる、といった難解な展開に困惑する。
同一人物だったっていうオチなのか、答えはわからないけど主人公の2人がお互いの過去を見つめ直し内に秘めた心情が見えていくのがなんともおもしろかった。
映像表現こそは難しく考えさせられるけど物語はシンプルでわかりやすい。登場人物はほぼ2人、背景は家かゴツゴツした岩の並ぶ海辺くらいしか主に出てこない質素な構成。そこからトラウマ、愛、不安など人間が心に抱える重たくて深みのある様々なものを感じ取らせるような内容がけっこう印象に残る。
