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仮面/ペルソナの655321のレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
3.5
女優エリザベートは舞台上で突然沈黙する。
理由は「笑いそうになったから」
人はいつも自分を演じている。
彼女は女優という職業が(または人間そのものが)可笑しくなったのだ。
失語症となった彼女は、付き添いの看護師アルマと療養生活に入るが、そのなかでお互いの仮面/ペルソナが剥がされ…。


その虚構性に対するエリザベートの笑いは分かる。
ほとんどの“お笑い”にはそういう側面がある。
真面目であればあるほど馬鹿馬鹿しくて笑えるし、馬鹿馬鹿しければ馬鹿馬鹿しいほど馬鹿馬鹿しくて笑える。

それはペルソナだから。

と、同時に。
外面と内面の融合がもたらす笑いの爆発力は凄まじい。
[相席食堂]のスギちゃんには死ぬほど笑った。
鐘に頭を打ちつけるスギちゃんは、あの瞬間、虚構であり虚構ではなかった。まじワイルド。
“人間性”が生み出す笑いに勝てる笑いはない。


『仮面 / ペルソナ』もそんな話。多分。
やっぱり違うかもしれない。
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