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仮面/ペルソナのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
4.0
Persona:イングマール・ベルイマン監督、脚本、ビビ・アンデショーン、リヴ・ウルマン主演、1967年スウェーデン作品。 女優のエリザベート(リブ・ウルマン)は、舞台の出演中に突然セリフを忘れ、失語症と無感動状態に陥ってしまう。彼女は看護婦アルマ(ビビ・アンデショーン)と共に海辺の別荘で療養生活をはじめるが・・・。

久しぶりのベルイマン作品鑑賞。3作目だろうか。けっこう好きなタイプだし、分かり易い方じゃなかろうか。オープニングのスプラッタの入り混じるサブリミナル的な細かなカットがかなりのインパクト。その後は少しゆったりはするが、テンポ良く物語が展開していくので息つく暇はない。シンプルで隙間を活かしたアートなモノクロ映像はかなり好み。

ユングの概念でもあるペルソナと言う言葉の意味は「外面的側面」

「ファイト・クラブ」や「ブラック・スワン」「複製された男」がこの作品からけっこうな影響を受けているのが良く分かる。と言う訳で、今観ると新鮮味はあまり感じないテーマかも知れない。しかし世界観はかなり独特で、印象的なエリザベートが背後からアルマの髪を撫でるシーンとその前後がけっこう好きだ。アルマの横たわる暗めの寝室のバックに二つの扉があり2方向から外の光が射していて、どちらも真っ白な薄いカーテンが風に靡いている。そこにエリザベートの影が近づいて来て、部屋に入り別の扉に消えていくシーン。部屋には余計なものが一切なく凄く神秘的な映像で印象的だった。

これ女性ならもっと好きな作品になったかも知れない。ラストもけっこうスッキリ出来たし、また観たいような気がした。
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