すずき

チキン・リトルのすずきのレビュー・感想・評価

チキン・リトル(2005年製作の映画)
3.0
動物達の暮らす街。
ニワトリの少年チキンリトルは、体が小さくて学校ではいじめられていた。
ある日リトルは、空のカケラが落ちてきた!と大騒ぎして、街の警報を鳴らし大パニックに。
そして結局「空のカケラ」とやらは見つからなかった。
街の人に呆れられたばかりか、リトルの父親も彼を信じなかった。
1年後、お騒がせ少年として悪名が残るリトルだったが、努力の結果、野球大会で一躍ヒーローとなり名誉挽回する。
ところがその夜、彼の元に再び空のカケラが落ちてくる…

ディズニー長編アニメーション第46作。
いよいよフル3DCG作品となったディズニーアニメーションスタジオ。
しかしクオリティはまだまだ発展途上な印象でイマイチ。
時代を考えると仕方ないが、古い手描きアニメは割と未熟な部分も味になるけど、古い3DCGアニメにはそう感じないのは何でだろ。

ギャグ多めのファミリー向けなんだけど、後半までかなり辛い展開が続く。
主人公リトルは学校では虐められてて、街では笑い者にされている。
だいたい、警報が鳴った事で起きた被害の数々は、勝手にパニックになったのは街の人々のせいだし、責任を小学生のリトルに押し付けるのは酷い。この街、基本的にクズばかりだな!

で、そんなリトルに対する父親の対応も酷い。
父親が学生時代に得意だった野球で活躍し汚名返上したい、と言うリトルに対して父親は「もう大それた望みは抱くな」とたしなめる。
父親はリトルの言葉に聞く耳を持たず、父親に信じてもらえなかった事がリトルのトラウマとなっていた。
こーゆー所から、非行の芽が始まったりするんだよね。
ここら辺の、リトルと父親との葛藤、そして努力してチャンスをモノにする展開は正直結構好き。

しかし、その後再び空のカケラが落ちてきて、オープニングと全く同じ展開を繰り返すのは何だかなあ。
主人公の境遇と同時に、ストーリーの勢いも盛り下がった感。
ストーリー展開のテンポもそんなに良くなくて、内容が薄い所もマイナス。

後半クライマックス、男勝りだったキツネの女の子が、脳へのダメージで性格が女の子に変わっちゃう件。
ラスト、それが簡単に治せる事が判明するんだけど、こっちの方が良いから、という理由でそのままにしておくのは、現在だとポリコレ的に一発アウトだな。