空海花

ロゴパグの空海花のレビュー・感想・評価

ロゴパグ(1963年製作の映画)
3.7
イタリアの巨匠3人と
フランスの巨匠ゴダールらが
世界の終わりを陽気な始まりで描く
何とも豪華なオムニバス映画。
世界に存在する様々な醜悪さを
それぞれ風刺や皮肉いっぱいに込めた短編集。
タイトルは
「ROロ」ッセリーニ
「GOゴ」ダール
「PAパ」ゾリーニ
「Gグ」レゴレッティ


①『純潔』ロベルト・ロッセリーニ
“妄想”“フェティシズム”
キャビンアテンダント、アンナ・マリーアに一目惚れする男。
飛行機からベトナムに降り立ち
彼女が趣味の映写機で近づこうとするが…
「アメリカやイギリスはそういうやつが多い」発言。
引用「すでに自らを喪失した者にとって
愛とは子宮をめめしく求める行為である」
気持ち悪いなぁ、もう(笑)
映写機に映る彼女にキスをしたいが
近づくと映像は自分に映る。
音楽はベッリーニの歌劇《ノルマ》をアレンジしたものらしい。

②『新世界』ジャン=リュック・ゴダール
パリ上空で原爆が爆発したという新聞記事。SFだが設定は少し説明されるだけ。
街は変わらないが、
人が少しずつ変わっていく。
エッフェル塔が~🗼
「原爆は人間をいつの間にか変え
ささいな変化だが我々を決して滅ぼさずにはおかないだろう」
喧騒と無音
原爆と嫉妬
無言の仕草
倫理観と自由の意識
静的な作品ながら人々から失われていくものを漂わせるゴダール的手法。
最近の『イメージブック』を思い出し
一貫した姿勢に敬服。

③『意志薄弱な奴』ピエル・パオロ・パゾリーニ
このオムニバスの目玉かもしれない。
ゴダールのクールさから一転
一気に陽気でガチャガチャする。
青空の下、
キリストの最期の場面を撮影している
映画監督がオーソン・ウェルズ!

教養のないブルジョアジー
フェリーニはダンサー
私は過去の人間
だとか毒々しいインタビューが面白い。

一方でその中のある役者にスポットが当たる。
お弁当が食べたい🍱
犬が!🐕羊が!🐏
リコッタ~!🧀🥯
台詞~!喋った~!
ついつい話しかけてしまいそうな
「志村!後ろ~!」的心境に(笑)
キリストの受難は彼の元に。

キリスト教のブラックコメディということで、イタリアでは上映禁止に。
3話のオムニバスとして公開されたそう。
カメラマンの動きも面白かったりして
隅々までユーモアに溢れた作品。

④『にわとり』ウーゴ・グレゴッティ
都市部の消費者の姿を皮肉たっぷりに描いたブラックコメディ。
トッポジージョ♪だ🐭およよ~
あおり運転はタイムリーだな。
消費の自由はいいけれど
ものの価値は曖昧になり
結局買わされているような空しさ。
にわとりになっちゃった🐔
キャッシュレスな現代も
無駄遣いには気をつけましょう。
これはちょっと苦手😅


やっぱりパゾリーニが1番面白かった。
次はゴダールかな😊


2021レビュー#049
2021鑑賞No.36
空海花

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