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007 スカイフォールの3104のレビュー・感想・評価

007 スカイフォール(2012年製作の映画)
4.1
クレイグボンド3作目。

前々作『カジノ・ロワイヤル』、前作『慰めの報酬』・・A面とB面のような関係の2作で「ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド」が完成され準備万端、今作は“いわゆるボンド、いわゆる007”が展開されていく。

過去2作、そしてそれ以前のシリーズ過去作を観ていなくても、今作から観る事は十分に可能だ(もしシリーズ未経験ならばむしろここから入るのが適当、そしてこれだけを観るというチョイスもありだとも思う)。そしてもちろんシリーズ経験者にも魅せる、訴えるに値する内容を持ち合わせている。
そういう意味では間口が広くかつ奥行きが広いのが今作のなによりの魅力といえる。

(ここよりネタバレ気味)

怪優ハビエル・バルデム演じる今作の「ラスボス」は元M16エージェントのシルヴァ。
ボンドの先輩にあたる彼は、簡単に言い表すと「光」の主人公の対になる「影」ともいえる存在。
ある意味物語の定石になり得る、効果的で明確な立ち位置。
合わせ鏡のようなボンドとシルヴァを繋ぐのは、ご存知彼らの上司&元上司のM。
このMが今作ではボンドガールにもなるという構造(別にジュディ・デンチが水着姿になるわけではない。従来・・古いシリーズに見られるようなボンドガール役を担う女性は別に登場する)がとても粋で憎い。

ボンドにとって上司、そして敬愛する「母」的な存在の彼女に、今作では「ある運命」が待ち受ける(それもボンドの生まれ育った場所である“スカイフォール”にて)。

これ(と、付け加えるならQ、マネーペニーなどの役柄の復活)により、物語の最後にシリーズが「再定義」されるのである。
007シリーズが2010年代の現代に復活した、と言い換えてもいい。