タキ

トランスポーターのタキのレビュー・感想・評価

トランスポーター(2002年製作の映画)
3.4
オープニングのつかみはとてもよい。3人定員が4人になっただけで運び屋のオジサンは車を1ミリも動かさず、緻密で華麗なドライビングテクニックでパトカーを振り切ってみせる。そして仕事をきっちり終えると追加仕事等、契約外のことは絶対にせずに立ち去る。彼には「契約厳守」「名前は聞かない」「依頼品は開けない」という3つのルールがあるのだ。面白い。ワクワクしながら次の仕事を遂行するオジサンを見てたらなんと早々に依頼品を開け、追加契約まで受けていて目が点になる。オープニングのアレなんやったん…という変わり身の速さ。話を展開させるにしても節操がない。彼は実はよいひとで拉致されている女性を捨ておけなかったまではわかるとしてすぐ追加契約を受けるのはちょっと違うぞ、ステイサム。
こんな感じでストーリーはアクションでかなり誤魔化されていて引っかかるところが多々ある。なぜか脱出用スキューバグッズは2個あるし、ニース警察のネットセキュリティは甘いし、そもそもライがなぜ荷物になっていたのか、父親が頼んだらしいが反抗的な娘を押さえ込む為だとしてわざわざ運び屋に頼む意味とは???ライの人物設定もそれほどの魅力がなく、その父親も役柄と俳優のビジュアルが合ってなくて残念だった。ちなみに水でキレイに落ちるヌルヌルと聴診器については生あたたかい目で見守った。
リュックベッソンが好きなシチュエーションを成立させるために枝葉が雑になっちゃった感がある。ステイサムのアクションだけはよかった。
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