shibamike

レベッカのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

レベッカ(1940年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

どーこでー壊れーたの オー、フレーンズ!

前半のメロドラマを観ていると、苛々して仕方なかった。後半は面白かったけど、前半の苛々が自分の神経をズタズタにしており、ブラボー!ヒッチコック!とはならなかった。

身寄りのない美しい女性「わたし」が、イギリス・マンダレイの大金持ちで貴族のマキシムに見初められる。マキシムは一年前にヨットの転覆事故でレベッカ夫人を亡くしていた。マキシムと「わたし」がドライブデートを繰り返すのだが、ある日「わたし」が「黒いサテンと真珠をつけた36歳の女性だったらいいのに」とかほざいてポロポロ泣く。はよ死ねよ、と自分が思っているとマキシムが甘い言葉をかけて慰める。すると泣いたカラスがもう笑うよろしくニコニコの「わたし」。勘弁してくれ!

晴れてド・ウィンター夫人となった「わたし」。嫁いでみると、絵に描いたようなお屋敷と贅沢品の数々。召し使いもたくさん。

しかし、住んでみてすぐに違和感を覚えるド・ウィンター夫人。ことあるごとに周囲が前妻レベッカと自分を比較しているようなのであった。夫マキシムも何かにつけてはレベッカのことを思い出し、落ち込んでいる。

と、まぁ前半は庶民の娘が上流社会にいきなり放り込まれて、作法もマナーも教養もへったくれもないってんで、ド・ウィンター夫人の方で勝手に自己嫌悪に陥ってしまう。屋敷の召し使い側ではダンヴァース夫人というお局さんがとにかく、いけず。ちなみにダンヴァース夫人は前妻レベッカを異常なほど崇拝している狂信者。金持ちのいじめを観ているようでちっとも面白くなかった。

とんでもなくデカイ豪邸の日常が映し出されるのだが、見ていてもちっとも羨ましくならない。とにかく退屈そうだ。というか映画が退屈なのだろうか。

慣れない暮らしに毎日が針のむしろ状態のド・ウィンター夫人。夫マキシムともすれ違い気味。すべてレベッカが悪いのよ!私は私よ!と開き直る。そこで考えたのが仮装舞踏会の開催だった。とびっきりの仮装で全員ギャフン言わせたるんじゃ!と張り切るド・ウィンター夫人。が結局、ダンヴァース夫人の計略にしてやられ、大失敗。大失敗なのだが、観客の我々からしたら超絶美人のジョーン・フォンテイン渾身のドレスアップを見れているので、幸せな話である。

その後、ダンヴァース夫人に自殺強要されたりするが(狂ってる(笑))、何と!前妻レベッカが最後に乗っていたヨットが見つかるというサプライズ!ここら辺から後半パートの印象。

ヨットが見つかったということでマキシムが絶望する。「あぁ、またレベッカのこと思い出しちゃうからね。」とド・ウィンター夫人が気遣うと、そうじゃないとマキシム。どういうことかと言うと、マキシムはレベッカが大嫌いでめちゃくちゃ憎んでいたのだった。おまけにレベッカが死んだのはヨット事故ではなく、自分がぶん殴ってよろけたレベッカが頭打った拍子に死んじゃった。という、ちょ待てよ!発言。ここでちょっとゾッとしたのがド・ウィンター夫人の表情がみるみる明るくなっていくのである。恐ろしいよ!二人は絶対的な秘密を共有することで愛情を確かなものとした。もう誰にも私達を邪魔させない!

本作のクライマックスはレベッカの主治医への尋問シーンであろう。レベッカの死が自殺か他殺かに争点が置かれる中、主治医は驚きの事実を話す。レベッカは末期ガンで死を覚悟していたのであった。天罰が下ったと見るべきか、まぁたまたまだろう。

これにて、レベッカの死は自殺で片付き、めでたしめでたしと思ったら、最後の最後にお屋敷が火災で全焼。ダンヴァース夫人の放火であった。マキシムと夫人が幸せなとこを見たくないから、という。勝手に一人でひっそり死ねよ!

ヒロインのジョーン・フォンテインはこの映画で初めて知ったけど、とても美人。レベッカがいくら美人と言ってもジョーン・フォンテインも充分美人じゃねえかよ、と思った。スカーレット・ヨハンセンの上位互換という印象。

とにかく美人!と騒がれるレベッカは映画には登場しない。登場しないので見た目に関して好き勝手騒げるというのは便利だよね。演じる女優さんもプレッシャー凄いだろうし。

序盤にのみ登場するヴァン・ホッパー夫人が結構いい味出していた。薬を飲んで苦かったらしく、「苦い!チョコを!」と言って、速攻チョコレート食ってたの笑った。

関係ないけど、バンドのレベッカが歌うフレンズの「口づけをかわした日は~」って口づけを避けたって意味かと思っていた時期がある。
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