YellTao

レベッカのYellTaoのレビュー・感想・評価

レベッカ(1940年製作の映画)
4.5
「昨夜もまたマンダレーへ行く夢を見た」
主人公の回想から幕開ける『レベッカ』
ヒッチコックのハリウッド進出初作品だと思って改めて観ると、そこに本作をチョイスしたことに納得。
イメージに翻弄される主人公にヒッチコックが重なり、その夫となるマキシムは観客でありプロットツイストからはヒッチコック自身とも重なっていく。
そしてイメージに心酔するダンヴァース夫人は映画制作サイドであり観客でもあり、ラストには決意するヒッチコックさえも彷彿とさせる。

頼りなく模索する主人公の姿はヒッチコックのハリウッドに対する不安なのかと思うと切ないけど、したたかなラストを迎えると、やっぱりヒッチだなとニヤリw
リピート鑑賞時にコクが増す冒頭の言葉に続くのは、ハリウッドにヒッチコックが進出したことで「誰も二度とマンダレー(かつてのハリウッド)に戻ることはできない」のだ。
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