YellTao

Girl/ガールのYellTaoのレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
4.0
キモチにカラダがついてこない。
男性になっていく身体をレオタードとバレエシューズに収める。主人公ララの心には当然な行為がこんなにも苦痛を訴える。
貼って剥がして血を滲ませている体を観る度、カラダにキモチがついてかなかった過去の自分も思い出す。

鏡の中には、頭の中の自分の体ではない自分。
叶えたい夢、努力が実らない焦り、為りたい者に成れない、その延長にある自己嫌悪や自己否定という普遍的な苦悩。
これは自己を確立する過程の物語なんだと思う。

あえて語らない過去と家族間のやり取りが肌感覚でリアルだから、その思慮と葛藤もまた涙が出るほど痛かった。
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